☑️ Paystandが企業財務専用のステーブルコイン「USDb」を発表
☑️ ビットコインインフラを活用し米ドルと1対1の準備金で裏付け
☑️ 売掛・買掛金や給与支払いの自動化とAI連携を視野
ブロックチェーン決済ネットワークを展開するPaystandは2026年4月27日、ビットコインのインフラを活用した企業財務特化型のステーブルコイン「USDb」を発表しました。本施策は、既存の個人向け・投資向けステーブルコインとは一線を画し、100兆ドル規模とされる世界のB2B(企業間)経済をオンチェーンへ移行させるための戦略的な決済基盤の構築を狙うものです。
企業財務に最適化した「ビットコイン基盤」の設計
USDbは、米ドルと1対1で連動する準備金に裏打ちされたステーブルコインです。最大の特徴は、暗号資産の取引や個人間送金ではなく、企業の売掛金(AR)、買掛金(AP)、給与支払い、資金管理(トレジャリー)といった業務フロー内での活用を前提に設計されている点にあります。
本プロジェクトの展開にあたり、以下のビットコインエコシステムの主要インフラパートナーと連携しています。
- Rootstock: ビットコインネットワーク上の分散型インフラ層
- Blockstream: 機関投資家向け金融インフラの構築を主導
- Ibex: 初の鋳造(ミンティング)パートナーおよび流動性供給を担当
Paystandのネットワークは既に、北米および中南米の100万社以上の企業を対象に、累計200億ドル(約3兆円)超の決済処理実績を有しており、USDbは導入初日からこの広大な実需ネットワークへ統合されます。
AIと自動化を見据えた「3つのB」戦略
Paystandのジェレミー・アーモンドCEOは、USDbが「ビジネス(Business)」「ボット(Bots)」「ビットコイン(Bitcoin)」の3つの力が収束する地点であると述べています。これは、AIによる労働の自動化と、ビットコインによる資本のデジタル化が進むなか、ステーブルコインが金融サービスの形態を書き換えるという構図を示唆しています。
具体的な導入事例として、2025年11月に買収した給与支払いプラットフォーム「Bitwage」を通じて、国境を越えた給与支払いにUSDbを適用します。Bitwageは世界約200カ国、4,500社、9万人以上の労働者に利用されており、初日からグローバルな決済回廊を確保している点が強みです。
既存ステーブルコインとの差別化と市場背景
2025年のステーブルコイン取引高は、前年比72%増の33兆ドルに達し、Visaのグローバル取扱高の半分以上に匹敵する規模まで成長しました。現在、市場の90%以上はTether(USDT)とCircle(USDC)が占めていますが、これらは主に暗号資産ネイティブな用途や投資向けに発展してきました。
USDbはこれら既存プレイヤーに対し、CFO(最高財務責任者)が管理する実務ワークフローに特化した「商業グレードの決済レイヤー」として独自のポジションを確立する方針です。
決済構造への影響:特化型ネットワークへの分化
これまでステーブルコインは主に「デジタル資産市場の流動性」を支える汎用的なツールとして普及してきましたが、USDbの登場は「特定の業務ドメインに特化した決済インフラ」への分化を示唆しています。ビットコインの堅牢なインフラを決済の最終清算層として活用しつつ、スマートコントラクトによって企業特有の複雑な契約や給与支払いを自動化する試みは、既存の銀行振込やSWIFTに代わる、より低コストでプログラマブルな選択肢を提示するものです。これにより、事業者は決済遅延の解消と事務コストの削減という実益を享受する一方、規制準拠やリザーブの透明性といった「商業基準の信頼性」が改めて問われることになります。
発表日時: 2026年4月27日
関連URL: https://www.businesswire.com/news/home/20260427826030/en/Paystand-Launches-USDb-The-First-Bitcoin-Aligned-Stablecoin-Purpose-Built-for-the-%24100-Trillion-B2B-Economy
