☑️ FATF作成のステーブルコイン関連の脅威分析報告書が公開
☑️ 2025年の不正な暗号資産取引の84%をステーブルコインが占めると指摘
☑️ 規制を逃れるアンホステッド・ウォレット同士のP2P取引の脆弱性を警告
金融庁が2026年3月6日、金融活動作業部会(FATF)が取りまとめた「ステーブルコイン及びアンホステッド・ウォレット(P2P)に関する報告書」を紹介しています。同報告書は2026年3月3日にFATFから発行されたもので、ステーブルコインのマネー・ローンダリングなどへの悪用事例が増加している背景を踏まえ、脅威や脆弱性の分析と各法域のリスク低減策をまとめています。
不正取引の84%を占めるステーブルコイン
FATFの報告書によると、ステーブルコインは急速に普及しており、市場規模と不正利用の双方が拡大しています。ブロックチェーン分析会社のChainalysisのデータを引き、不正な暗号資産取引量におけるステーブルコインの割合が急増している状況を指摘しました。
| 指標 | 2025年のデータ |
|---|---|
| ステーブルコインの流通数 | 250以上 |
| 時価総額 | 3000億米ドル超 |
| 不正な暗号資産取引量に占める割合 | 84% |
価格の安定性や高い流動性、相互運用性といった特徴が正規の利用を支える一方で、マネー・ローンダリングやテロ資金供与、国家の支援を受けるサイバー犯罪集団にとっても魅力的な手段となっています。
アンホステッド・ウォレットとP2P取引のリスク
報告書では、重要な脆弱性として「アンホステッド・ウォレット」を利用したP2P取引を挙げています。アンホステッド・ウォレットとは、暗号資産交換業者などの事業者ではなく、利用者自らが秘密鍵を管理する口座を指します。
こうしたウォレット同士の取引は、規制対象となる仲介業者や金融機関を介さずに直接行われます。そのため、資金の出所を曖昧にする複雑な資金洗浄手法に利用されやすく、ステーブルコインの発行者がクロスチェーンの活動を制御することが困難になる課題が生じています。
金融庁の貢献と今後の対策
報告書の作成にあたり、金融庁はFATF政策企画部会(PDG)および暗号資産コンタクト・グループ(VACG)の共同議長として、プロジェクトの取りまとめに貢献しました。
各法域や民間部門に対しては、明確な資金洗浄対策の義務付けや、スマートコントラクト制御を活用したリスク低減策の導入などを勧告しています。急速に拡大する暗号資産市場において、ステーブルコインの利便性と不正利用防止のバランスをどうクリアするかが今後の焦点となりそうです。
発表日時: 2026年3月6日
関連URL: https://www.fsa.go.jp/inter/fatf/20260303/20260303.html
関連URL: https://www.fatf-gafi.org/en/publications/Virtualassets/targeted-report-stablecoins-unhosted-wallets.html
