☑️ 日本国債の権利トークン化を検討
☑️ SCとTJGBでT+0レポ取引
☑️ 2026年10月に報告書公表目標

Progmatが主催するデジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)は2026年5月8日、日本国債に関する権利をブロックチェーン上で管理し、ステーブルコインを用いたオンチェーン・レポ取引の実現を目的とする「トークン化国債・オンチェーンレポ ワーキング・グループ」を設置し、共同検討を開始します。DCCの会員組織数は331で、共同検討では日本国債に関する権利のトークン化(Tokenized JGB、TJGB)や、レンディングプロトコルを使ったオンチェーン・レポ取引について、法律・会計・税務・実務・技術の観点から整理します。
国債レポ市場とST市場を前提に検討
国債を担保としたレポ市場は、2024年末時点で約16兆ドル、1ドル160円換算で2,560兆円の残高があると推定されています。資料では、2022年比で20%成長し、日本市場が世界全体の10%程度を占めるとしています。
国内レポ市場は、2010年以降に取引残高の増加が続き、2022年からさらに大きく増加しています。資料では、非居住者による円資金運用の増加に対応する形で、国内投資家による債券運用や、証券・短資会社の仲介規模が増えてきたと説明しています。
国内のセキュリティトークン発行累計額は3,600億円に達しています。内訳として、不動産などは2,984億円・66案件、社債は265億円・16案件、投資信託は355億円・5案件が示されています。一方で、日本国債については、法的制約と既存インフラがある中で、置換または併存コストを上回る実需の特定が不可欠だとしています。

TJGBとステーブルコインでポジション構築をT+0化
共同検討では、国債をトークン化する方式として、登録国債自体、振替国債自体、振替国債に紐づく権利などの選択肢を整理します。資料では、振替国債自体を直接トークン化する方式は既存制度やプロセスと整合的である一方、オンチェーン化の効果発現が限定的になる可能性があるとしています。
設計案では、従来「T+1決済」が前提だったレポ取引に対し、担保証券をTJGB、貸借資金をステーブルコインとし、レンディングプロトコルを介したオンチェーン取引で「T+0」のポジション構築・クローズを想定しています。資料では、ステーブルコイン借り手にとっては「イントラデイ・アルファ」追求の機会、ステーブルコイン貸し手にとっては国債担保による運用手段になると説明しています。

WGは2026年5月にキックオフし、2026年10月に報告書を公表することを目標とします。個別の概念実証案件を先行または並走させ、報告書を踏まえた個別のTJGB組成プロジェクトを2026年内に開始することも目標に掲げています。
参加予定組織は金融、法律、会計、ブロックチェーンまで横断
WG公表時点の参加予定組織には、アセットマネジメント会社、銀行・信託銀行、保険会社、証券会社、流通市場関連組織、短資会社、証券金融会社、レンディングプロトコル、パブリックブロックチェーン関連組織、法律事務所、会計・税理士事務所が含まれます。
| 分類 | 主な参加予定組織 |
|---|---|
| アセットマネジメント会社 | アモーヴァ・アセットマネジメント、ブラックロック・ジャパン、三菱UFJアセットマネジメント |
| 銀行・信託銀行 | SMBC信託銀行、ステート・ストリート信託銀行、日本マスタートラスト信託銀行、農中信託銀行、みずほ銀行、みずほ信託銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行 |
| 保険会社 | 東京海上ホールディングス、他保険会社1社 |
| 証券会社 | SMBC日興証券、SBI証券、スマートプラス、だいこう証券ビジネス、大和証券、大和証券グループ本社、みずほ証券、三菱UFJ eスマート証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、楽天証券 |
| 流通市場関連組織 | 大阪デジタルエクスチェンジ、JPX総研 |
| 短資会社・証券金融会社 | セントラル短資、日本証券金融 |
| 技術・プロトコル関連 | Secured Finance AG、Ava Labs、Datachain、Digital Asset Holdings |
| 法律・会計・税務 | アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、TMI総合法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業、東京共同会計事務所、PwC税理士法人 |
今回の共同検討は、既存の国債決済インフラを単純に置き換えるものではなく、日本国債に紐づく権利、ステーブルコイン、レンディングプロトコルを組み合わせた取引形態を検証するものです。機関投資家にとっては、国債担保のレポ取引を日中で構築・クローズする取引設計が論点になります。発行体、金融機関、取引仲介者、技術事業者にとっては、法務・会計・税務・実務・技術を同時に整理しなければ商用化判断に進めない領域であり、2026年10月の報告書が次の個別プロジェクトの前提になります。
発表日時: 2026年5月8日
関連URL: https://progmat.co.jp/news/2026-5-8-press/
