☑️ 専門調査会がTCAよりヒアリング実施、消費者保護策を議論
☑️ 相談窓口の現場認識に乖離、通信料との合算請求も論点に
☑️ 業界団体は周知強化を表明、法的課題は持ち帰り検討へ
キャリア決済の消費者保護に関する実態調査
内閣府消費者委員会の「支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会」は2026年1月23日、第12回の会合を開催し、電気通信事業者協会(TCA)に対するヒアリングを実施しました。会議では、携帯電話料金と合算して支払う「キャリア決済」の仕組みや消費者保護の取り組みについてTCA側が説明し、委員との間で質疑応答が行われています。
TCAの説明によると、同協会に加盟するNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、月々の通信料金とデジタルコンテンツ等の購入代金を合算請求するサービスを提供しています。楽天モバイルについては、Google Playでの購入に限られクレジットカード払い等となるため、今回の「通信料金との合算請求」という定義には該当しないと説明されました。利用限度額は各社とも年齢に応じて設定されており、未成年者の場合は最大でも1〜2万円程度、成人では最大10万円程度で運用されています。

相談窓口の機能と「請求分離」を巡る議論
質疑応答では、消費者トラブルへの対応実態について活発な議論が交わされました。TCA側が「相談窓口へのキャリア決済に関する苦情は年数件」と報告したのに対し、消費生活相談員を務める委員からは「現場感覚と乖離がある」との指摘がありました。委員は「TCA窓口ではネット取引のトラブルを受け付けないため、現場では『窓口がない』と認識されている」と述べ、実際には年間5,000件規模の相談が国民生活センター等に寄せられている現状を訴えています。これに対しTCA側は「認識の差を確認し検討したい」と回答しました。


また、通信料金と決済代金が合算請求される仕組みについても法的・実務的な課題が浮上しています。

委員からは、決済代金の不払いが原因でライフラインである通信契約まで停止されることは、消費者契約法や倒産法の実務観点から問題であるとし、「通信料と決済代金の請求分離」を求める意見が出されました。TCA側は、現状ではシステム的な分離を行っていないとした上で、各社の検討状況を確認し文書で回答するとしています。なお、不払い者情報の交換制度に関しては、対象を「通信料金のみ」としており、キャリア決済や端末代金の未払いは信用情報の登録対象外であると説明されました。
今後の対応と周知強化
TCAは今後の取り組みとして、利用者保護の仕組みに関する周知・啓発をより積極的に行う方針を示しており、「お客様の利便性を守りつつ、トラブル予防に向けた注意喚起を検討する」と説明しました。
