☑️ MUFGがデジタル資産形成を担う新会社を2027年度に設立
☑️ ウェルスナビと三菱UFJ eスマート証券を経営統合へ
☑️ アプリ内でAIアドバイスからNISA申込まで完結

三菱UFJフィナンシャルグループの連結子会社である三菱UFJ銀行は、AIネイティブでデジタルベースの資産形成サービスを提供する新会社を立ち上げると発表しました。2027年度中にウェルスナビと三菱UFJ eスマート証券を経営統合します。その準備として、両社を束ねる中間持株会社を2026年度第1四半期に設立し、新ブランド「エムット」の中核的な役割を担わせる計画です。
銀行と証券を融合するシームレスな顧客体験
新会社は、2026年度後半に開業予定のデジタルバンクアプリ内で、銀行口座と証券口座の同時申込を数分で完了できる環境を構築します。三菱UFJ銀行の半沢淳一氏は、「デジタルバンクのアプリと一体のUIUXによって、銀行と証券の垣根を感じることのないシームレスな顧客体験を提供します」と説明しています。
日々の家計管理から資産運用まで、1つのスマートフォンアプリで完結する仕組みです。また、個別株式の取引など本格的な投資を行う際は、統一された操作性を持つ証券専用アプリへ遷移して取引が可能です。
MAP AIによる個別アドバイスと対面連携
サービスの中核となるのが、「MAP AI」と呼ばれる独自のアドバイザリー機能です。ウェルスナビの柴山和久氏は、「AIを活用することによって、これまで富裕層向けだったアドバイスを幅広い層に提供できるようになる」とAI活用の意義を強調しています。MAP AIは、顧客一人ひとりのニーズやライフステージに合わせて運用方針を提案します。
一方で、資産管理会社や相続といったAIだけでは対応しきれない複雑なニーズを持つ富裕層に対しては、グループ内の三菱UFJモルガン・スタンレー証券など対面サービスへの送客を行います。デジタルで資産を形成した顧客を、対面ビジネスへとスムーズに移行させる体制が組まれています。
開発の内製化とグループ全体の運用基盤
三菱UFJ eスマート証券の飛松一樹氏は、「両社が培ってきた強みを掛け合わせることで、顧客一人一人のニーズに深く寄り添い、新しい資産形成の形を提供する」と述べています。新会社は、両社のエンジニア組織を統合し、開発体制の内製化を強化することで、顧客の要望に迅速に応えるアジャイル開発を推進します。
さらに、MUFGが持つバランスシートの活用も大きな強みとなります。デジタルバンクで集めた預金をMUFG本体へ貸し出すことで、多様な市場での運用が可能となり、独自のローン商品に依存する他のデジタルバンクと比べて安定した収益基盤を確保できる構造を持ち合わせています。
顧客還元競争への波及と今後のマイルストーン
今回の経営統合は、国内におけるデジタルリテール戦略の転換を意味します。グループ内製化によるコスト削減効果を、預金金利やポイント還元、手数料優遇として顧客へ還元する好循環が機能するかどうかが問われます。
新会社の立ち上げに先駆け、三菱UFJ eスマート証券は2026年5月中旬を目処に国内株式取引手数料の無料化を実施する予定です。この動きは、ネット証券業界全体の手数料引き下げやサービス拡充といった新たな顧客獲得競争の引き金となります。
発表日時: 2026年3月24日
関連URL: https://www.bk.mufg.jp/news/news2026/pdf/news0324.pdf
