☑️ 日本クレジットカード協会が全面的キャッシュレスの調査結果を公表
☑️ 未導入加盟店の約15%で営業利益率が平均1.4%改善することを確認
☑️ 現金派の顧客喪失による売上機会の逸失は極小であると判明

国内の主要カード発行会社などで構成される日本クレジットカード協会(JCCA)は2026年4月6日、全面的キャッシュレス(全面的CL)の導入効果に関する調査結果を発表しました。政府が掲げる将来的なキャッシュレス決済比率80%(2030年には65%)の目標達成を後押しする取り組みです。三井住友カードの大西幸彦氏が会長を務める同協会は、未導入加盟店1,521社へのアンケートと、導入済み企業11社へのヒアリングを実施しました。
加盟店手数料を補うコスト削減効果
全体の約15%の加盟店において、全面的CLの導入が営業利益率の改善につながることが確認されました。加盟店が負担する決済手数料は増加するものの、現金取り扱い業務の削減による人件費の圧縮や、入出金・両替手数料、セキュリティコストなどの現金関連費用が減少するためです。結果として、営業利益率は平均で約1.4%改善すると説明しています。
| 項目 | 増減率 |
|---|---|
| 人件費 | 1.3%削減 |
| 現金関連費用 | 1.1%削減 |
| 加盟店手数料 | 1.0%増加 |
| 営業利益率 | 平均1.4%改善 |
売上機会逸失への懸念と対策
現金対応を取りやめることによる顧客離れについて、導入済み企業へのヒアリングでは、売上機会の逸失は極小であることが示されました。SNSやチラシを用いた事前の周知活動や、店舗への現金チャージ機設置などの対策でカバーできるとしています。
さらに、釣銭の補充や営業終了後のレジ締め業務の削減、店舗内での現金紛失・盗難リスクの低下、決済にかかる時間の短縮といった実務面の利点も報告されました。
今後は、店舗の省人化ニーズや小型化の進行、モバイルオーダーの普及、マイナカードへの決済機能搭載などが予定されており、市場環境の変化に伴って全面的CLを導入する加盟店が増加していく見通しです。
全面的キャッシュレス普及に向けた課題
今回の調査は、これまで懸念されてきた「加盟店手数料の負担増」と「現金派の顧客離れ」という2つの障壁に対し、定量的なコスト削減効果と運用カバーの事例を示した形です。現金ハンドリングに伴う見えないコストが決済手数料の増加分を上回るケースが15%存在するというデータは、多店舗展開を行う小売業や飲食業の決済戦略に直結します。2030年のキャッシュレス決済比率65%という政府目標に向け、店舗運営の合理化を意図した現金決済の廃止は、業種を問わず新たな決済インフラの基準として拡大していくことになります。
発表日時: 2026年4月6日
関連URL: https://www.jcca-office.gr.jp/info/1585/
