☑️ 大和証券グループの完全子会社である大和ネクスト銀行がオリックス銀行の全株式を取得
☑️ 大和証券側の預金基盤とオリックス銀行の融資・信託機能を融合させ総資産コンサルティングを強化
☑️ 株式取得価額は3,700億円で2026年10月までの完了を予定し将来的な合併による機能統合も目指す
大和証券グループ本社および完全子会社の大和ネクスト銀行は2026年4月27日、オリックスの連結子会社であるオリックス銀行の全発行済株式を取得し、完全子会社化することを決定したと発表しました。取得価額は3,700億円を見込んでいます。大和証券グループは、デフレ脱却と「金利ある世界」への移行が進む中、顧客の負債を含めた包括的なコンサルティングニーズに応えるため、証券・銀行・アセットマネジメントが連携した事業推進体制の構築を課題としていました。
預金基盤と融資・信託機能の融合
本件は、異なる強みを持つ両行の経営資源を統合することで相乗効果を生み出す枠組みです。大和ネクスト銀行は証券ビジネスへのゲートウェイ銀行として約5兆円の預金基盤を持ちますが、日銀当座預金残高が2兆円規模に達するなど効率的な資金運用が課題となっていました。一方、不動産関連融資や信託業務を中核とするオリックス銀行は、今後の成長に向けてより安定的な資金調達基盤(粘着性の高い預金の獲得)を必要としていました。
今回の統合により、以下の相乗効果の創出が計画されています。
- 総資産コンサルティングの進化: 金銭信託や不動産・証券担保ローン等を組み合わせ、顧客の資金調達や事業承継に対応した包括的なソリューションを提供。
- 預金と融資の好循環: オリックス銀行の運用力を背景に競争力ある預金金利を提供し、今後5年間で預金残高を追加で2兆円超拡大。大和ネクスト側の余剰資金1.5兆円超をローン等で運用。
- アセットマネジメント連携: グループ内のファンドやSPCへの融資を通じた事業拡大支援。
今後のスケジュールと規模
株式譲渡日は2026年10月までを予定していますが、関係当局の許認可等(独占禁止法に基づく事前届出や銀行法に基づく認可など)の取得が完了の条件となります。将来的には大和ネクスト銀行とオリックス銀行の合併による機能統合が計画されており、実現すれば総資産9兆円、自己資本4,000億円規模の総合型銀行が誕生することになります。
業界構造への影響
従来の証券系銀行モデルが、証券口座の待機資金プールを中心とした「預金特化・低リスク運用」を前提としていたのに対し、本件は外部の「不動産・信託に特化した融資エンジン」をM&Aによって直接接続し、銀行のバランスシートを能動的な収益源へ転換させる構造的変化です。このアーキテクチャの統合により、大和証券グループ側は抱え込んでいた巨額の預金を高利回りの融資資産へ効率的に振り向ける手段を獲得する一方、オリックス銀行側は証券顧客という強固で安定した資金調達(リテール預金)のパイプラインを得るという、双方のバランスシートの弱点を補完し合う実益が生じます。「金利ある世界」の到来を契機として、証券系銀行が単なる決済ハブから、預貸の利鞘とコンサルティング収益を両輪とする総合金融モデルへ移行する方向性を示しています。
発表日時: 2026年4月27日
関連URL: https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/tdnet/2795387/00.pdf
