☑️ 金融庁ら4省庁が暗号資産を用いた不動産決済の健全化を要請
☑️ 無登録業者による媒介の禁止や本人確認の徹底を業界団体に求める
☑️ 3000万円超の受領報告など外為法に基づく義務の周知も強化
令和8年4月28日、金融庁、国土交通省、警察庁、財務省の4省庁は、暗号資産を用いた不動産取引に関して、全国宅地建物取引業協会連合会や日本暗号資産等取引業協会などの関連業界団体に対し、法令遵守の徹底を求める共同要請を行いました。本要請は、匿名性が高く国境を越えた移転が容易な暗号資産が、高額な不動産取引を通じてマネー・ローンダリング(資金洗浄)に悪用されるリスクを未然に防ぐことを狙いとした、行政による先行的な注意喚起としての位置づけです。
無登録業者の排除と取引時確認の徹底
省庁側は、不動産が多額の現金と交換可能な資産であり、犯罪組織による収益の隠匿に利用される危険性が高いことを指摘しました。特に暗号資産を介した決済については以下の対応を求めています。
- 暗号資産交換業の登録確認: 暗号資産を法定通貨に交換、またはその媒介を行う行為は資金決済法上の登録が必要です。宅地建物取引業者が自ら売主となる場合であっても、無登録の暗号資産交換業者を利用しないよう注意を促しました。
- 犯罪収益移転防止法の厳格適用: 取引時の本人確認(取引時確認)を徹底するとともに、顧客の属性に見合わない高額取引などの不審な点が認められる場合は、所管行政庁への「疑わしい取引の届出」および警察当局への通報を適切に行うよう求めました。
- 無登録営業の通報: 無登録で暗号資産交換業を行っている疑いがある業者を発見した際は、警察当局への情報提供を行う体制を求めています。
外為法に基づく報告義務の再確認
実態把握の観点から、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく報告義務についても周知を徹底するよう求めています。
- 高額受領報告: 海外から3,000万円相当額を超える暗号資産等を受領した者は、支払又は支払の受領に関する報告書を提出する義務があります。
- 非居住者による不動産取得: 令和8年4月1日の改正以降、非居住者が日本国内の不動産を取得した場合には、取得目的を問わず「本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得に関する報告書」の提出が必要です。
今回の要請を受けた主な団体は以下の通りです。
– 全国宅地建物取引業協会連合会
– 全日本不動産協会
– 不動産協会
– 不動産流通経営協会
– 全国住宅産業協会
– 不動産流通推進センター
– 日本暗号資産等取引業協会
業界構造への影響
今回の4省庁による共同要請は、不動産とデジタル資産という二つの高リスク領域が交差する点に対し、行政が監視の網を明確に広げたことを示唆しています。これは特定の技術を排除するものではなく、既存の金融規制や外為法の枠組みを暗号資産決済にも一貫して適用させることで、市場の健全性を担保しようとする動きと言えます。事業者側には、従来の不動産取引実務に加え、暗号資産取引の特性を踏まえたコンプライアンス対応が問われることになります。
発表日時: 2026年4月28日
関連URL: https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260428/20260428.html
