法人カード決済が6.3兆円規模へ、キャッシュレス推進協議会が明かすB2B決済のデジタル化実態

☑️ 法人カード取扱高が5年間で約1.8倍の6兆3,240億円に成長
☑️ 発行枚数残高も右肩上がりで推移し1,000万枚の大台を突破
☑️ キャッシュレス推進協議会がB2B決済の効率化を背景に初の実数値を公表

キャッシュレス推進協議会は、企業間決済(B2B取引)における実態を可視化するため「法人カード利用動向調査」の結果を公表しました。これまで一般消費者の購買(B2C)におけるキャッシュレス決済比率は公表されてきましたが、法人カードに特化した継続的な統計は存在していませんでした。そのため2024年から調査を開始。今回のデータでは、経費精算の効率化や支払管理の一元化を目指す企業の「本気度」が、数値として明確に裏付けられた形となります。

取扱高は5年連続で増加、6兆円を突破

法人カードの発行事業者15社から提供された実数値を基にした集計によると、取扱高および発行枚数は一貫して増加傾向にあります。2021年に3兆4,590億円だった取扱高は、2025年には6兆3,240億円にまで拡大しました。

年次取扱高(億円)発行枚数残高(万枚)
2021年34,590904.2
2022年43,330948.8
2023年52,300975.8
2024年58,0501,001.5
2025年63,2401,041.2
※発行枚数残高は各年12月末時点。
※法人カードには大手企業、中小企業、個人事業主向けのほか、国際ブランドが付帯しないハウスカードも含む。

経費管理のデジタル化が普及を後押し

これまで日本の企業間取引は銀行口座振込が主流であり、一部では現金決済も残存していると推察されてきました。しかし、近年のバックオフィス業務のデジタル化に伴い、法人カードによる決済が主要な手段の一つとして成長しています。

協議会は、法人カードの利用が進む背景として以下の要因を挙げています。
– 従業員による経費精算業務の効率化
– 企業における支払管理の一元化
– 決済データのデジタル化によるガバナンス強化

協議会は今後も年に1回の頻度で本調査を継続的に公表する方針です。これにより、多面的なキャッシュレス普及状況の把握に努めるとしています。

業界構造への影響

B2B決済における法人カードの台頭は、単なる「支払手段」の置き換えに留まらず、バックオフィス業務のSaaS連携やリアルタイム管理といった「データ駆動型の経営管理」への移行を背景としていると言えます。これは企業の決済慣行における構造的な変化を示唆するものですが、一方で既存の商習慣や銀行システムとの並立・補完関係が続くことも予想されます。今後、カード決済がどの程度まで商流の深部へ浸透し、決済コストと業務効率のバランスがどのように最適化されていくかが、市場全体のデジタル化の進展を占う焦点となるでしょう。

発表日時: 2026年4月30日
関連URL: https://paymentsjapan.or.jp/publications/20241030-b2b-cards/
https://paymentsjapan.or.jp/b2b-cards/202501-12/