☑️ 無人機向け決済端末、取付時間を2分以下へ大幅短縮
☑️ アンテナ内蔵の一体型・Android採用で低コスト化を実現
☑️ 深刻な人手不足解消へ、会計時間33分削減の生産性向上

人手不足が続く飲食業界とキャッシュレス化の現状
エム・ピー・ソリューションは、無人機・自動機向けのキャッシュレス決済サービス「JMMS」に関する説明会を開催し、この春にリリース予定の新型マルチ決済端末「IM28」を紹介しました。
飲食業界では、依然として店舗の6割以上が非正規社員の不足を感じており、最低賃金の全国加重平均も前年度比で大幅に上昇するなど、人手不足とコスト高騰という二重の課題に直面しています。こうした背景の中、会計業務の無人化・効率化を促進するため、従来機と比較して導入コストを抑え、施工性を飛躍的に向上させた新端末の投入が明らかになりました。

グルメジャーナリストの東龍氏は、現金の会計にかかる時間が平均28秒であるのに対し、非接触決済では平均8秒で済むというデータを提示し、「ランチタイムに100人が来店した場合、約33分もの差が生まれる」と指摘します。人手不足の現場において、この33分の業務時間を創出できるキャッシュレス化は不可欠な要素となっています。
施工性を劇的に改善した新端末「IM28」の技術と戦略
エム・ピー・ソリューションの新型端末「IM28」は、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に一台で対応するマルチ決済端末です。最大の特徴はハードウェアの刷新にあり、従来は本体・通信モデム・決済制御機の3点が必要だった構成を、通信モデムとアンテナを内蔵した1つの筐体に集約しました。
この一体化により、設置作業の効率が劇的に改善されています。従来の端末は、自販機や券売機への取り付けに2名体制で15分〜30分程度を要していましたが、新端末では仮固定用のフックを採用したことで「1名で設置可能」となり、作業時間を2分以下に短縮できることが実証されています。同社の鈴木一成氏は、「人件費が高騰している中で、取り付け作業のコストは馬鹿にならない。IM28では営業担当者でも取り付けられる設計にし、コスト圧縮を実現した」と説明しています。
また、新端末ではOSに初めてAndroidを採用しました。従来機の「IM10」は端末内で決済処理を行うリッチクライアント方式でしたが、IM28はサーバー側で処理を行うシンクライアント方式を採用することで端末価格を抑え、これまで導入が難しかった低売上の自販機などへの普及も目指します。
券売機メーカーのグローリーも登壇し、具体的な導入効果を報告しました。都内の人気ラーメン店の事例では、キャッシュレス券売機の導入により「客単価が15%向上、回転率が20%向上、締め作業時間が30分短縮された」という結果が出ています。
コスト低減と拡張性が拓く無人決済市場の可能性
今後の展開として、エム・ピー・ソリューションは飲料自販機200万台や券売機市場に加え、コストダウンを武器にランドリー機器などへの「1台1端末」の設置も視野に入れています。従来は集中精算機に1台設置するのが一般的でしたが、端末価格の低下により、洗濯機1台ごとに端末を取り付けるといった新たな需要の開拓が可能になるとしています。
さらに、これまでキャッシュレス対応券売機をコスト面で諦めていたような小規模店舗でも、大幅なコスト低減で導入できるようになる可能性もあるとしています。
また、Android OSの採用について鈴木氏は、「決済機能を超えたプラットフォームとしての広がり」を示唆しています。「決済端末以外のアプリケーションが動く可能性があり、我々が考えていない新しい組み合わせが出てくる」と述べ、将来的にはポイントサービスや会員認証、あるいは天気予報アプリとの連動など、多様なサービス展開への期待を示しました。
東龍氏は、「DX化は単なるコスト削減ではなく、人がもっと人間らしい仕事をするためにある。機械が得意なことは機械に任せ、人にしかできないおもてなしに注力することで飲食店の価値は高まる」と語り、業界全体の進化への意義を強調しました。
