☑️ 世界のパスキー利用数が50億件に到達し認知度は90%へ上昇
☑️ 消費者の75%が有効化済みで企業の68%も導入を推進
☑️ パスワード起因の購入放棄やアカウント侵害抑制が課題
FIDO Allianceは2026年5月7日、世界におけるパスキーの普及状況をまとめた調査レポート「State of Passkeys 2026」を公開しました。同団体の推計によると、世界で使用されているパスキーの総数は50億件に達しています。10カ国の消費者1万1000人と企業意思決定者1400人を対象とした調査では、パスキーの認知度が90%に達し、前年から大幅に上昇したことが明らかになりました。
消費者への浸透とパスワード依存による経済損失
調査結果によると、消費者の75%が少なくとも1つのアカウントでパスキーを有効化しており、利用可能な環境であれば49%が定期的にパスキーを使用しています。普及の背景には、従来のパスワード管理に伴うリスクと不便さがあります。過去1年間でアカウント侵害や情報漏洩の通知を経験した消費者は33%に上りました。
パスワードの忘却は、リテール分野において直接的な機会損失を招いています。消費者の47%が、ログイン時にパスワードを思い出せない場合に購入やサービスの利用を中断すると回答しました。そのうち17%は、利用を放棄する可能性が「非常に高い」としています。パスキーの導入は、こうしたユーザー体験の摩擦を低減する実務的な手段となっています。
企業における導入状況と運用の実益
企業の現場においても、フィッシング耐性を持つ認証方式への移行が進んでいます。調査対象企業の68%が、従業員向けにパスキーを導入済み、または導入の過程にあると回答しました。完全なパスワードレス運用の実現を最終目標に掲げる企業は82%に達しており、そのうち28%がすでに目標を達成しています。
企業がパスキーを導入したことで得られた具体的な効果は以下の通りです。
| 項目 | 改善を報告した企業の割合 |
|---|---|
| セキュリティに対する信頼性の向上 | 47% |
| 従業員のログイン時間の短縮 | 45% |
| IT部門に対する従業員満足度の向上 | 43% |
| パスワードリセット依頼の減少 | 35% |
| フィッシング関連インシデントの低減 | 32% |
認証基盤の転換によるステークホルダーへの影響
パスキーの普及は、消費者にとっては「記憶」への依存からの解放、企業にとっては「運用コスト」と「セキュリティリスク」の同時低減を意味します。一方で、いまだ57%の組織が日々の業務においてフィッシングの標的となりやすい脆弱な認証方式を併用している現状も浮き彫りとなりました。今後の課題は、未導入の企業が懸念として挙げる技術的成熟度への不安を解消し、フィッシング耐性を持つ認証を標準的なインフラとして定着させる実務的な教育の継続にあります。
発表日時: 2026年5月7日
関連URL: https://fidoalliance.org/the-state-of-passkeys-2026-global-consumer-and-workforce-report/
