☑️ IOSCO、2026年作業計画でAI規制と市場強靭化を優先
☑️ プライベート市場拡大に伴うリスク監視と監査連携を調査
☑️ 投資家保護に向けAI活用ツールの策定や国際協力を推進

証券監督者国際機構(IOSCO)は、資本市場の強靭化と投資家保護を軸とする「2026年の作業プログラム」を公表しました。本計画は2025年の成果を基盤とし、技術変革や市場構造の変化に対応するための5つの戦略的優先事項を掲げています。金融庁が2月18日に国内向けに情報を公開しました。
AIと技術変革への対応
AI(人工知能)の普及やトークン化、暗号資産の進展に対し、規制の枠組みを整備する方針です。2026年には、企業向けのAI開示・ガバナンスに関する指針や、監督当局向けの「AIスーパーバイザリー・ツールキット」の開発を進めます。
暗号資産については、正式な評価手法を策定し、定期的なテーマ別レビューを開始する計画です。また、英国金融行為規制機構(FCA)のAIラボと連携し、個人投資家保護を目的とした初の「テックスプリント」を実施するとしています。量子コンピューティングが金融市場に及ぼすリスクと課題についても、共通認識の構築を図る方針です。
市場構造の変化とリスク管理
公開市場における発行の減少とプライベート市場の拡大という構造変容を注視する姿勢を示しました。プライベート・エクイティ活動と監査部門の相互関連性の調査や、金融安定理事会(FSB)と連携したプライベート・クレジットに関する詳細な分析を進めます。
金融強靭性の面では、投資信託の評価原則の改定や、店頭(OTC)デリバティブ報告の断片化解消に取り組みます。市場の流動性に影響を与えるマイクロ構造や、株式取引所における取引時間の延長が及ぼす影響についても、調査を実施する方針です。非銀行金融仲介(NBFI)におけるレバレッジ問題についても、必要に応じて後続の作業に貢献するとしています。
国際協力と執行体制の強化
多国間間の情報交換に関する覚書(MMoU)を基盤とした規制協力の推進を継続します。現在131の当局が署名するMMoUを、より高度な「EMMoU」へ移行するよう支援を強化するほか、新興市場向けに次世代育成プログラム「NEXTGEN」を通じた能力構築を支援します。2026年には専用のeラーニングプラットフォームを構築し、各国の監督能力向上を後押しするとしています。
当局向けの技術活用(SupTech)にも焦点を当て、AIを活用したツールが監督や執行の効率をどのように高められるか、知見の共有を進める方針です。
規制の空白と技術適応の行方
資産運用業界が公開市場から透明性の低いプライベート市場へシフトする中、IOSCOによる監視強化は規制の空白地帯を埋める動きとなります。AI活用が監督業務と企業のガバナンス双方で加速しており、国際的な足並みを揃えられるかが焦点となります。特に技術進展の速さに対し、各国の法制度や監督能力が追随できるかが、グローバルな規制執行の実効性を左右する課題となりそうです。
発表日時: 2026年2月18日
関連URL: https://www.fsa.go.jp/inter/ios/20260218/20260218.html
関連URL: https://www.iosco.org/news/pdf/IOSCONEWS782.pdf
関連URL: https://www.iosco.org/library/pubdocs/pdf/IOSCOPD813.pdf
