☑️ 広域品川圏のまちづくりを26年3月28日に本格始動
☑️ UWB技術用いたウォークスルー改札の実証を27年春実施
☑️ Suicaを基盤に医療や住宅とも連携する生活圏構築

JR東日本は2月19日、浜松町駅から大井町駅エリアで展開する「広域品川圏(Greater Shinagawa)」のまちづくりを、2026年3月28日に本格始動すると発表しました。「TAKANAWA GATEWAY CITY」のグランドオープンおよび「OIMACHI TRACKS」のまちびらきに合わせ、Suicaを基盤とした次世代の決済・移動サービスの導入を進める方針です。
UWB活用の「タッチレス改札」
交通系ICカードの進化形として特に注目されるのが、無線通信技術「UWB(Ultra-Wide Band)」を用いたウォークスルー改札の導入です。同社は2027年春、広域品川圏の5駅において実証試験を行う計画を明らかにしました。これは改札機への物理的なタッチ操作を不要とし、通過するだけで運賃授受や認証を完了させる仕組みの構築を目指すものです。
実証試験に先立ち、2026年3月28日・29日にOIMACHI TRACKSで、5月13日・14日にはTAKANAWA GATEWAY CITYで、それぞれウォークスルー改札の体験会を実施するとしています。また、2026年3月28日からは、既存の改札機へのタッチを契機に、スマートフォンなどを通じて周辺エリアの情報を配信するサービスも開始します。駅利用と商業エリアの情報をデータでつなぎ、利用者の回遊性と利便性向上を図る狙いです。

Suica基盤の生活圏構築
Suicaの活用範囲を交通・決済以外の生活領域にも拡大します。医療分野では、TAKANAWA GATEWAY CITY内の医療施設「Medical & Life Design Hub」において、Suicaを診察券として利用できる仕組みを導入します。将来的にはPHR(パーソナルヘルスレコード)と連携し、個人の健康データに基づいたサービス提供を行う計画です。

住宅分野では、エリア内のレジデンスにおいてSuicaと連動したスマートホーム設備を採用します。入居企業の先端サービスやロボティクス技術を住戸に取り入れ、移動から居住、健康管理までを1つのIDでつなぐ生活基盤の構築を進めます。
自動運転と防災拠点
移動手段の拡充(MaaS)においては、KDDIと連携し、自動運転バスの走行実証を2026年3月下旬から高輪・竹芝エリアで開始します。加えて、水素シャトルバスの運行や水上交通の実証、空飛ぶクルマの社会実装推進など、陸・海・空を統合した移動サービスの実現を目指すとしています。

防災機能の強化も盛り込みました。TAKANAWA GATEWAY CITYとOIMACHI TRACKSには自営電源と非常用発電機を整備し、災害時に72時間の電力供給を維持できる体制を整えています。OIMACHI TRACKSに関しては品川区と災害時の施設使用に関する協定を締結し、約3000人の帰宅困難者を受け入れるスペースとして機能させる方針です。
デジタルとリアルを融合した都市運営
2026年3月28日の本格始動に合わせて、ドローン1500機を用いたショーや、プロジェクションマッピングなどのイベントを展開します。また、日本初の鉄道が走った高輪築堤跡の保存公開や、大正時代のレンガ車庫の一部移設など、歴史資産の活用も進めるとしています。同社は広域品川圏を「都市生活のイノベーションが生まれる先進エリア」と位置づけ、デジタル技術と都市機能を融合させた新たなモデルケースの確立を目指すとしています。
次世代改札への移行
今回の発表は、交通系ICカードにおける「タッチレス決済」の実用化に向けた具体的なロードマップを示したものです。UWB技術による改札通過のシームレス化が進めば、駅の混雑緩和やバリアフリー化に寄与する可能性があります。既存のインフラであるSuicaを都市OS(基本ソフト)のように機能させ、生活全般のサービスを統合できるかが今後の普及の鍵となりそうです。
発表日時: 2026年2月19日
関連URL: https://www.jreast.co.jp/press/2025/20260219_ho03.pdf
