☑️ 2025年の不正アドレスへの送金総額は過去最高の1540億ドル
☑️ AIを活用したなりすまし等により詐欺被害額は170億ドルへ拡大
☑️ 国家主体の制裁回避によりステーブルコインの不正利用が大規模化

ブロックチェーン分析企業のチェイナリシスは、「2026年 暗号資産犯罪動向調査レポート(日本語版)」を公開しました。2025年における不正アドレスへの送金総額は、前年比162%増の少なくとも1540億ドルに達し、過去最高を記録したと説明しています。
不正な活動における送金総額の84%をステーブルコインが占める結果となりました。この背景には、ロシアやイラン、北朝鮮などの制裁対象国が、金融戦略のなかに暗号資産を組み込んでいることが挙げられます。制裁対象団体への送金は、前年比694%増となる1040億ドルに達したとしています。
北朝鮮のハッキングとAI詐欺の急増
盗難資金の領域では、北朝鮮関連のハッカーによる暗号資産の窃取額が前年比51%増の20億2000万ドル相当に上り、被害総額の76%を占めました。取引所や暗号資産関連企業への労働者の潜入など、より巧妙な手法による被害が確認されています。
詐欺被害については、AIを活用したなりすましや東南アジアの詐欺ネットワークの関与により、約170億ドルの被害が発生しました。同社の推計によれば、このうち少なくとも140億ドルがオンチェーンで受け取られています。
| 犯罪類型 | 2025年の被害・送金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 不正送金総額 | 1540億ドル | 前年比162%増 |
| 制裁対象団体への送金 | 1040億ドル | 前年比694%増 |
| 詐欺被害額 | 170億ドル | うち140億ドルがオンチェーン受取 |
| 北朝鮮関連ハッキング | 20億2000万ドル | 前年比51%増 |
日本国内においても、暗号資産を悪用した詐欺の被害が拡大しています。2025年の国内の詐欺被害総額3241億円のうち、約1219億円が暗号資産取引所を経由して洗浄されたと推計されています。
各国の取り締まりと今後の展開
各国の法執行機関は、サービスとインフラ層を対象とした取り締まりを強化しています。英国での6万1000ビットコインの差し押さえなど、ブロックチェーンの透明性を活用した大規模な摘発事例も報告されました。
AIやステーブルコインの普及により、暗号資産犯罪の手法は変化し続けています。透明性を担保するブロックチェーン技術の活用が、複雑化する不正資金ネットワークの解明にどのような影響を与えるか注視されます。
発表日時: 2026年3月16日
関連URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000082374.html
