☑️ 連邦金融規制当局に90日以内の規制・監督実務見直しを指示
☑️ フィンテック企業の金融機関提携やチャーター申請の障壁を点検
☑️ FRBには非銀行金融会社などの連邦準備銀行決済口座アクセス評価を要請
米ホワイトハウスは2026年5月19日、金融テクノロジーの革新を規制枠組みに組み込むための大統領令「INTEGRATING FINANCIAL TECHNOLOGY INNOVATION INTO REGULATORY FRAMEWORKS」を発表しました。連邦金融規制当局に対し、フィンテック企業と連邦規制下の金融機関との提携や、チャーター・免許・登録・認可手続きの見直しを求める内容です。従来の個別規制対応ではなく、デジタル資産や革新的技術を伝統的な金融サービスや決済システムに統合するため、複数の連邦金融規制当局に横断的なレビューを求める点が差分です。
90日以内に規制・監督実務・申請手続きを見直し
大統領令は、米国の政策として、規制プロセスを簡素化し、参入障壁を減らし、フィンテック企業、連邦規制下の金融機関、連邦金融規制当局の協力を促すと定めています。対象となる「フィンテック企業」は、金融商品・サービスの提供または提供支援に技術を使う非銀行会社です。対象業務には、決済処理、融資、預金、デリバティブ、投資運用、ブローカレッジ、引受・資本市場業務、カストディ・受託業務、デジタル銀行、デジタル資産関連サービス、証券・商品市場活動、ブロックチェーン関連サービスなどが含まれます。
連邦金融規制当局には、消費者金融保護局、証券取引委員会、全国信用組合管理機構、商品先物取引委員会、連邦預金保険公社、通貨監督庁が含まれます。各当局の長は、大統領令の日付から90日以内に、既存の規制、ガイダンス、監督実務、申請手続きを見直します。レビューでは、とくに小規模・新興のフィンテック企業について、金融商品・サービスにおける革新と競争を促すために更新できる項目を特定します。
見直し対象には、フィンテック企業が保険付預金取扱機関、信用組合、ブローカーディーラー、投資助言業者、先物取次業者などと提携するうえで過度な妨げになる規制、ガイダンス文書、命令、ノーアクションレターなどが含まれます。あわせて、銀行チャーター、信用組合チャーター、預金保険または出資金保険、連邦免許、登録、認可を求める適格なフィンテック企業の申請手続きを簡素化できる項目も特定します。各当局の長は、レビュー後180日以内に、国家経済政策担当大統領補佐官と協議し、イノベーションを促すための措置を取ります。
FRBには連邦準備銀行の決済口座・決済サービスへのアクセス評価を要請
大統領令は、FRB(連邦準備制度理事会)にも、連邦準備銀行の決済口座と決済サービスへのアクセスに関する包括的評価を要請しています。対象は、無保険の預金取扱機関、非銀行金融会社、デジタル資産やその他の新しい金融活動に関わる企業、リアルタイム決済ネットワークの直接参加者として機能する企業です。大統領令では、これらを「covered firms」と整理しています。
FRBには、大統領令の日付から120日以内に、大統領へ報告書を提出するよう要請しています。報告書では、連邦準備法などの適用法に基づき、連邦準備制度が対象企業に連邦準備銀行の決済口座と決済サービスへの直接アクセスを拡大する法的権限を持つか、法律上可能な範囲でアクセスを拡大する選択肢があるか、直接アクセスを妨げる法的障害があるかを評価します。評価には、決済システム、金融安定、米国経済へのリスクを抑えるための立法または規制上の選択肢も含まれます。
さらにFRBは、12の連邦準備銀行が、連邦準備銀行の決済口座と決済サービスへのアクセスを認めるか拒むかについて、FRBから独立して判断できる法的権限を持つかも評価します。個別の連邦準備銀行による独立判断が法的に可能な場合、申請を受け付ける連邦準備銀行にかかわらず対象企業を一貫して評価するため、FRBレベルでどのような規則または政策を設けているか、または設ける予定かも報告対象になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表主体 | 米ホワイトハウス |
| 文書 | 大統領令 |
| 発表日 | 2026年5月19日 |
| 主な対象 | 連邦金融規制当局、FRB、フィンテック企業、連邦規制下の金融機関 |
| 90日以内の対応 | 各連邦金融規制当局による規制・ガイダンス・監督実務・申請手続きのレビュー |
| 120日以内の対応 | FRBによる連邦準備銀行の決済口座・決済サービスへのアクセス評価報告 |
| 180日以内の対応 | 各連邦金融規制当局によるレビュー結果にもとづく措置 |
| 主な論点 | 金融機関提携、チャーター申請、連邦免許・登録・認可、デジタル資産関連企業の決済アクセス |
参入手続きと決済アクセスが実務上の論点に
フィンテック企業にとっては、連邦規制下の金融機関との提携、銀行・信用組合チャーター、預金保険、連邦免許・登録・認可の申請手続きが、今後の見直し対象になります。無保険の預金取扱機関や非銀行金融会社、デジタル資産関連企業にとっては、連邦準備銀行の決済口座と決済サービスに直接アクセスできるかどうかが、FRBの評価対象になります。一方で、大統領令は安全性・健全性、消費者・投資家保護、市場の公正性、金融安定、監督の重要性とのバランスを求めており、規制緩和の具体的な内容や対象企業の認可を直ちに決めるものではありません。
発表日時: 2026年5月19日
関連URL: https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2026/05/integrating-financial-technology-innovation-into-regulatory-frameworks/
