☑️ 米Fiservと提携し中小型店向け「Clover」を26年秋に日本導入
☑️ 決済とPOSや店舗管理を統合した「真のオールインワン」を実現
☑️ 法人サービスTrunkと連携し5年間で25万台の設置目指す

米大手Fiservと提携、中小店舗の「決済」と「運営」を統合
2026年1月21日、三井住友カードは、世界的な決済・金融テクノロジー企業であるFiserv(ファイサーブ)との戦略的業務提携を発表しました。この提携により、Fiservが世界で展開する中小事業者(SME)向け店舗DXプラットフォーム「Clover(クローバー)」を日本市場向けにローカライズし、2026年秋(10月予定)より提供を開始します。
Fiservは世界100カ国以上で事業を展開し、年間売上高200億ドル超を誇るグローバルリーダーですが、日本市場への本格参入は今回が初となります。三井住友カードは、日本の事業者数が400万を超え、その半数が飲食・小売店であることに着目し、中小事業者市場における「キャッシュレス化」と「店舗運営のデジタル化」を同時に解決することを目指します。
世界標準の「店舗OS」導入と法人金融サービスの融合
■ 決済端末を超えた「真のオールインワン」プラットフォーム
今回導入される「Clover」は、決済機能に加え、POS(販売時点情報管理)、在庫管理、従業員管理、顧客管理(CRM)などの業務アプリをクラウド上で統合したプラットフォームです。専用の決済端末とソフトウェアがシームレスに連携しており、事業者は一つのIDですべての店舗業務を管理できます。
Fiserv CEOのマイク・ライオンズ氏は、「Cloverは単なる決済端末ではなく、ビジネスのオペレーティングシステムです。日本の『居酒屋』のような独自の運営スタイルや商習慣に合わせて完全にローカライズを行います」と説明しています。また、オープンAPIを採用しているため、外部の予約システムや会計ソフトとの連携も容易であり、店舗の成長に合わせて機能を追加できる拡張性の高さも特徴です。
■ 「Trunk」との連携による経営支援
本提携の戦略的な核となるのが、三井住友カードの法人向けデジタル金融サービス「Trunk(トランク)」との連携です。三井住友カード代表取締役社長の大西幸彦氏は、「TrunkとCloverの連携は、金融決済とPOSの完全な融合を意味します」と語り、以下の3つの価値を提示しました。
- 経営の見える化: POSの売上データとTrunkの経理データを統合し、資金繰りをリアルタイムで可視化します。
- 提案型ファイナンス: 売上予測やPOSデータに基づいたAI分析により、繁忙期には自動で与信枠を広げるなど、柔軟な資金調達メニューを提供します。
- コスト削減: 同時申込みによる初期費用の無料化や、各種手数料の優遇などを検討しています。
質疑応答で自前開発ではなく提携を選んだ理由を問われた大西氏は、「SaaS的なソフト面の充実度が圧倒的だからです。これを自力で作るには時間もコストもかかります。『中身』の質を優先し、世界最高のパートナーと組むことを選びました」と回答しています。
■ 既存サービス「stera」との棲み分け
既存の決済プラットフォーム「stera」については、今後も中規模以上の事業者や独自のPOSシステムを持つ企業向けに展開を継続します。大西氏は「中小規模の店舗では『すべてをワンパッケージで導入したい』というニーズが強くあります」と述べ、ターゲットによる棲み分けを行う方針を示しました。なお、Cloverの決済処理には、VisaやGMOペイメントゲートウェイと構築した「stera」のネットワークが活用され、セキュリティと信頼性を担保します。
キャッシュレス比率向上と中小企業のDX推進へ
三井住友カードは、本サービスについて開始から5年間で25万台の設置を目標としています。販売体制については、SMBCグループ全体で連携し、銀行とカード会社が一体となって中小事業者のDXを支援していく方針です。
ビザ・ワールドワイド・ジャパンのシータン・キトニー代表取締役社長は、「SME(中小事業者)は日本経済の屋台骨です。今回の提携は、単なる端末の配布を超え、日本のデジタル経済の成長を解き放つエコシステムの構築につながります」と期待を寄せました。
大西氏は「自前主義にこだわらず、世界最高のサービスを日本のお客様に提供します」と強調し、日本のキャッシュレス比率向上と中小企業の生産性向上という課題解決に向けた決意を示しています。
